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私の大事なプロジェクト: プリンシパルハードウェアエンジニアの 1 日

XGS シリーズファイアウォールの開発者が、エンジニアになった自身の背景と製品の特長を語ります。

私はものを作るのが大好きな人間です。

自宅でも大工仕事をしたり、Raspberry Pi をいじっていたりと、何かしらのプロジェクトを進めています。現在は家にいる 2 匹の猫のため、自動餌やり機の同期方法に取り組んでいます。面白いものです。

元をたどれば、これは私自身の育ちが関係しています。実家はメリーランド州南部の農家でしたが、父は電気工学を学んだ人でもあり、その影響を受けているのです。

父もまたいつも個人的なプロジェクトを持っている人で、数え切れないほど多くのプロジェクトをこなしていました。バンドで使うスピーカーを自分で組み立てたり、トウモロコシで家を暖められるように、自動ホッパー付きの特注炉を設計したりしていました。

それゆえ私自身も若いころから、電気工学を自然に志していました。

ソフトウェアも大好きですが (コードはたくさん書いています)、自分が開発した製品を物理的に手に取れるということにも無上の喜びを感じます。自分自身も開発に大きく携わった、新しい XGS シリーズのファイアウォールが (オンラインの) 棚に並ぶ様子を目にすることは、とても感慨深いものがあります。

パフォーマンスの飛躍的向上 – ゼロからの再構築

ソフォスの新世代ハードウェアアプライアンスの開発は、私のキャリアの中でも一番大きなプロジェクトでした。これには数年間という長い時間がかかりました。

経緯を説明すると、XGS プログラムに取り組んでいた時、私は婚約し結婚しました (妻のケイトは、ロボット企業で製造エンジニアリングのマネージャーをしていました)。そして二人で家も購入しました。人生の新たな章の幕開けと言えるものでした。

その間、私の仕事の軸はそのプロジェクトでした。ハードウェアデザインで特徴的なことは、自分のワークライフが、プロダクト開発のライフサイクルと密接に結びつくところです。

プロセスの初期では、要件のまとめ、機能の概要の決定、概念実証などをプロダクトマネージメントと同時並行で進めます。製品像が浮かび上がってきたら、ソフトウェアチームと協力して技術的な調整を行います。

その後、回路図やレイアウトなど、実装の詳細に入ります。メーカーとの調整も重要です。スケジュールに間に合わせるため、一歩一歩確実に進めていきます。

最初のプロトタイプが完成すると、俄然面白くなってきます。実機を使用して、製品の信頼性の高さ、すべての要件を満たすことを確認するために、あらゆる検証を行い、開発したテスト計画を実行することになります。

この段階は、私の労働環境にも関わってきました。家の地下室で作業することもありましたが、大きなテスト機器はピッツバーグの研究室にあります。

エントリーレベルからエンタープライズまで、一貫した方法でパフォーマンスを向上

XGS シリーズファイアウォールのプロジェクトでは、パフォーマンスを飛躍的に向上させたいと考えていたため、ハードウェアとソフトウェアの両方のアーキテクチャについて抜本的に設計を見直す必要があり、これがとても面白い点でした。そのため、ソフトウェアチームとの共同作業には多くの時間を費やしました。

その大きな目標 (と、ソフォスが私をプロジェクトに加えた理由) は、より早いペースでパフォーマンスをスケールアップさせることでした。重要だったのは、エントリーレベルのアプライアンスから一番大きなエンタープライズレベルの製品まで、ソフトウェアとハードウェアの一貫したデザインがしたい、ということでした。

その鍵は処理機能の一部を分散する方法でした。低レイテンシ、高帯域幅の処理を専用プロセッサに移し、代わりにウイルス対策スキャンのような計算量の多い処理にリソースを割きたいと考えました。

その結果、Xstream アーキテクチャが誕生しました。このアーキテクチャは、コンピューティング用とネットワーク処理用にチューニングされた別々のサブシステムを搭載しており、実質的に 2 つの心臓部で構成されています。そして、この 2 つのシステムを、単一のシームレスなソリューションへと統合して初めて、本当の意味での飛躍が生まれ、より大きなパフォーマンスが実現しました。

IT 担当にとってこれは多大なる利点で、アプライアンスモデルそのものを大きくすることなく、より多くのユーザーをサポートし、より速いパフォーマンスを得られるようになります。また、プラットフォームの開発とアップグレードを継続的に行うことで、お客様の状況に合わせて更新することができます。

すべてが揃って「向かうところ敵なし」

ハードウェアエンジニアリングの魅力は、自分が開発に携わった物理的な製品との強いつながりを感じられることです。しかし、XGS プロジェクトはチームの努力の賜物でもありました。このチームとは非常に長い期間一緒に仕事をしており、私にとっても重要なプロジェクトとなりました。

世界中のスタッフと仕事をしてきましたが、ピッツバーグのネットワークセキュリティコミュニティは比較的小さなグループなので、このプロジェクトに参加した人たちの多くは大学を卒業したときから顔馴染みで、家族のようなものです。

最も誇りに思っているのは、この新しいアプライアンスがソフォスのエコシステム全体と非常にうまく連携していることです。将来のロードマップでは、すべての製品が連携することで、非常に多くの興味深い可能性が生まれることも考えられます。

私は垂直統合された製品を提供する企業で働きたいと常に思っていましたが、ソフォスはまさに、これらすべての要素が一緒になって、決定打となる製品を誕生させるだろうと感じています。

ソフォスでの仕事は最高です。クラウドコンピューティングチームがあり、興味の尽きぬエンドポイントプロテクションがあり、一元管理ダッシュボードがあり、しかもそれらがすぐに XGS シリーズと連動します。またこれらすべてのバックボーンに我々の製品がある、ということも非常に光栄です。

この数年間は仕事も多く私生活にも変化があり、波乱万丈でした。しかし今の状況は素晴らしいものです。またこの仕事は、将来に向けての基盤にもなっています。

個人的視点から言えば、私の意見が XGS のすべてのモデルに反映されており、世界中のあらゆる規模の組織に向けて、何十万台も出荷されています。

これには両親も驚いているでしょう。父は何度か研究室に来たこともありますが、いつも興味を持ってくれます。ちなみに両親の最新のプロジェクトは、ビジターセンターとテイスティングルームを備えた小さな蒸留所を地元に建設することだそうです。もしかしたら、両親が将来のお客様になる可能性だってあるのです。